
「とわい。とわい。おきうとわーい。」威勢のよいおきうと売りの声が町中に響き渡り朝を迎える。 これは昭和40年頃までのいつもの博多の朝の風景でした。 今では流通構造が変化して、おきうと売りの姿こそ見かけなくなりましたが、 ツルンと気持ちのよい喉越しと心地よい磯の風味は、今も昔も変わらず博多っ子の目覚ましとなっています。
おきうとと博多っ子の密接な関係が始まったのは、今から二百数十年前のおきうと誕生の時まで遡ります。
当時の博多は、未曾有の大飢饉に見舞われ多くの人が苦しみ失意の底に沈んでいました。 誰もがあきらめかけたとき、勇敢な漁師が博多湾に飛び込み、 そこに群生していた海藻(えご草)を煮詰めて固め、飢えで苦しむ人々に頒布したといわれています。
漁師の機転と愛情が博多を飢饉から救ったことから、えご草を煮つめて固めたその食べものを 勇敢な漁師を称えて「沖人(おきうと)」、または人々を救ったことから「救人(おきうと)」 と呼ぶようになり、博多っ子の食卓には欠かせないものとなったのです。
人々を飢えから救ったおきうとの原料となるえご草には、 ヨードやカリウムをはじめとするミネラルが豊富に含まれており、 えご草100%で作ったおきうとには食物繊維が非常に多く含まれています。 それでいてカロリーはほとんどないことから、カロリー過多の現代人にとっても 「救人」となることは間違いないようです。
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